家づくりのスタートとして、間取りを考えることが最優先になると思います。
しかしながら、あれもこれも欲しい、ああしたいこうしたいという思いはたくさんあるかと思います。可能な限り実現したいことに、優先順位をつけることをお勧めします。
例えば過去の例を書くと、うちはなんだか荷物が多くて…という方がいました。
お荷物の内容を伺えば、洋服が好きなご夫婦でしたので、ファミリークローゼット4.5帖を設置した計画にしました。昔で言う納戸ですね。家族の季節に応じたものや、お子様がいると、ひな人形や五月人形も出し入れしやすいところに収納したい。というのも一つの優先事項だと思います。
もう一つ、うちは夫婦二人とも働いているので、ベランダは不要で、洗濯物を干すサンルームが欲しいのです。という例もあります。また、ご主人が日勤や夜勤があるので昼間に寝ることもあるのです。という方は真っ暗にできる位置と部屋をつくりました。
まだまだたくさんありますが、このようにご自分たちの生活スタイルなどを見直すと必要事項が見えてくることもあります。ぜひ一度、書き出してみてください。
シューズクローゼットって必要なの?と聞かれたことがありました。
今やシューズクローゼットの設置は半数以上となっています。しかし、大きさに悩む方が多いと感じます。普段の生活を思い返して頂きたいと思います。生活の中で履いている靴っていくつありますか? 多くの方が一つ二つ、そこにサンダル程度ではないでしょうか。家族の人数にもよりますが、普段の生活の中であえて収納する靴の量を把握しましょう。
2坪程度のシューズクローゼットの壁一面、靴の棚にしたならば、100足ほどはおけるでしょう。シューズクローゼットの中に、自転車を入れておきたいという方もいます。そうなりますと4~6畳必要になります。建築面積を増やしてまで収納がどの程度必要か、日頃の生活を見返ることが重要となります。
押入とは、押して入れると書きますが、フスマを開けると中のものがなだれ込むのは、漫画の世界…今では、ウォークインクローゼットや、1帖程度のクローゼットとなりますが、収納する内容を把握しましょう。
最近では、夏と冬の衣類が入れ替えするのに、できるだけ安易にするため、ホームセンターでのクリアーボックスを活用される方が多いと感じます。昔の押入は中段棚と枕棚がありましたが、今では枕棚とハンガーパイプのみという計画が多いです。といいますのも、ベッド生活が主流となり、布団収納は激減し、ハンガーパイプに服をかけた、下の部分はフレキシブルに空間活用できるよう、クリアーボックスを活用すると便利でしょう。
吹き抜けでリビングの天井がたかくて解放感あっていいよね~と、私も思います。しかし、メリットもあれば、デメリットもあるのです。
メリットは、やはり解放感は抜群です。しかし、6帖や8帖ほどで、2階建ての天井部まで吹き抜けにした場合、壁の縦と横の比が大きくなり、逆に狭く感じる感覚も生じます。冷暖房費についても聞かれることがありますが、吹き抜けがある場合、天井にシーリングファンを設置し気流を起こすことによって、家全体の温度統一につながりますが、冷暖房対象容量が大きくなるため、必要エネルギーは増えてしまいます。
冬の場合は、大きな窓を吹き抜け上部に設置など工夫し、太陽熱を取り込む計画もお勧めです。もう一つ、今は気密の良い家になっているので、吹き抜けを介し、音の問題ということが生じます。リビングに集いテレビやキッチンも隣接するでしょう。その音が、本来プライバシー空間となる2階の寝室などに響いてしまいます。そのようなデメリットとメリットな部分は建物の計画にもよるので、ご相談してください。
昨今の住宅計画においては、子供部屋6帖にクローゼット1帖分、かける子供の人数の部屋数。という計画が少なくなっています。
なぜ? という声も聴きますが、お子さんのプライバシーを重視する場合は、各部屋は確保しておくことも大切です。しかし、リビング学習やパソコンスペースなどを確保し、家族とのつながりを大切にし、家族共有の学習スペースを確保する計画が増えてきています。
また、中には、子供が大人になっても家にいるかわからないという声もお聞きします。子育てしやすい家づくりというのも非常に大切ではありますが、高校生にもなると、大人と同じ同線となってきます。また、成人すると家から出て行った後の部屋の活用も考える必要があります。例として、同性のお子さんの場合、広めの部屋を一つということも、建築コストの削減になります。
いまでは、さまざまなサイトで、おしゃれな家やかわいい建物の画像を見ることができます。せっかく投資する住宅ですから、自分好みの家にするための参考として、画像を保存しておくことをお勧めします。
なぜ、おしゃれとかわいいに注意と書いたのかといいますと、私たち建築士の目から見ると、あれ?これ危ないな…とか、これかわいいけど5年ぐらいで木が痛んできちゃうな…とかこれだと動線が悪く不便だな…などなど、たくさんあります。
もちろんお好みを大切にしつつ、数十年住む家として慎重にチョイスしていくことも必要となります。